銀河英雄伝説アニメレビュー


銀河英雄伝説 DVD-BOX
出演:堀川亮 /富山敬 /広中雅志 /佐々木望 /森功至 /若本規夫 /榊原良子 /キートン山田
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『宿命の対決なんてないんだよ、ユリアン、どんな状況のなかにあっても結局は当人が選択したことだ。』

アニメ大全集レビュー85

『銀河英雄伝説』(ぎんがえいゆうでんせつ)は、田中芳樹によるSF小説、またこれを原作とするアニメ、漫画作品です。
原作小説は、本編だけで一千万部突破を記録したベストセラーで現在もその記録を伸ばし続けている怪物小説です。
アニメは、1988年から劇場版アニメ3作、OVA本編110話、外伝52話が制作されました。


●銀河英雄伝説ストーリー

西暦2801年を宇宙暦1年とした遥かな未来。
宇宙暦776年/帝国暦467年、人類は宇宙に進出し、巨大な文明を築いていたが、決して統一されていたわけではなかった。
専制国家である銀河帝国、そして民主共和制の自由惑星連盟。
広大な銀河を舞台に、二手にわかれた人類による戦争は150年にも渡って繰り広げられながら、なおも決着がついていなかった。

銀河帝国の貧乏貴族の家に生まれたラインハルトは、姉を皇帝に奪われて以来、たったひとりの友キルヒアイスと共に、銀河帝国を奪い取る野望を胸に軍人となり、出世していく。
一方、自由惑星同盟にあって、不本意ながら軍人になってしまい、それでも功績を立て続けるヤン。
銀河帝国と自由惑星同盟の長く不毛な戦いが永遠に続くかに思われていた宇宙暦700年代末、2人の英雄が出現よって、人類の歴史は大きく展開し始める。


 『銀河英雄伝説』は、銀河系を舞台に、銀河帝国と自由惑星同盟、およびフェザーン自治領(形式的には、フェザーンも銀河帝国の一部)の攻防と権謀術数を、ふたりの主人公ラインハルト・フォン・ローエングラムとヤン・ウェンリーを軸に描くスペースオペラ作品です。
世界観はSFですが、科学技術的な描写はあまりされず、対立する陣営の様子、人物像、権謀術数、歴史の流れが中心で、『後世の歴史家による記述』という体裁を取っており、架空の歴史小説であるかのような作品作りになっています。
アニメ版においても、歴史教科書に載っている写真の様な描写が幾つも見られます。

『銀河英雄伝説』では首尾一貫して『超能力』『異星人種族』『未知のエネルギー』『戦闘用ロボット』『アンドロイド』といった世のありようを変えるSF的な要素を一切持たせず、いずれも、史実、あるいはそれを基にした過去の文学作品などの、人間同士の営みから生み出される歴史ドラマとしての構成に徹底してこだわり、他のSF作品とは一線を画す存在となっています。


また、ヤンやラインハルトの戦闘に代表される、戦略や戦術の心理、細かい駆け引きなどのリアルな描写はすばらしく、他の作品ではあまり見られない深い部分まで掘り下げた描き方をされていますが、それ以上に政治や国の描き方に驚かされました。
観る人の国や人種によって捉え方は違ってくると思いますが、やはり日本人の私としては、絶対君主制の専制政治=旧体制の政治、共和制の民主政治=新体制の政治というイメージが強かったので、民主政治国家である自由惑星同盟が腐敗した衆愚政治と化し、滅亡寸前の国家であったことに衝撃を受けました。
腐敗した民主政治(自由惑星同盟)と清潔な専制政治(銀河帝国)のどちらが優れているか?というテーマは大変興味深いものでした。

民主政治(自由惑星同盟)側の主人公であるヤンの自由と民主共和制に対する思いや、母国の政治体制の腐敗を嘆いた以下のセリフなど、数々の国や政治に対する意見はとても考えさせられる内容になっています。
『政治権力とジャーナリズムが結託すれば、民主主義は批判と自浄の能力を欠くようになり、死にいたる病に侵される。』
『権力は制限され、批判され、監視されるべきである。ゆえに専制政治より民主政治のほうが本質的に正しいのだ。』
『私は最悪の民主政治でも最良の専制政治にまさると思っている。』


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